一級建築士試験はこれから建築を志す方にとっても、すでに活躍されている方にとっても難しい試験ですよね。
現に何度受験しても中々受からないという方も大勢いらっしゃいます。
今回は、一級建築士試験の難易度や勉強方法、一次試験を独学で合格するにはどうしたらよいかと言うことを徹底的に調べてみました。
一級建築士試験の難易度
一級建築士試験は、日本の国家資格の一つですが、難しいと言われるその難易度はどのくらいなんでしょうか。
その他の難関資格との比較を見てみましょう。
難易度 | 資格名 |
S(超難関) | 司法試験、公認会計士、司法書士、医師国家試験、防衛医科大学校、ITストラテジスト、システム監査技術者 等 |
A(難関) | 一級建築士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、英仏独伊中検1級、歯科医師、薬剤師、鉄道設計技師、国家公務員一般職 等 |
B(普通) | 二級建築士、宅地建物取引士、通関士、教職員採用試験、刑務官、英独検準1級、仏伊中検2級 等 |
C(やや易しい) | 衛生管理者、個人情報保護士、地方公務員初級、中検3級、英検2級、ケアマネージャー、介護福祉士、太陽光発電アドバイザー、AFP2級 等 |
D(易しい) | リフレクソロジスト レギュラーライセンス、整体セラピスト2級、照明コンサルタント、防災士、FP3級、住宅ローンアドバイザー、中古車査定士、ブライダルプランナー、ツアーコンダクター、公認トリマー 等 |
難易度Aの「難関資格」の一つということです。
なお、不動産・建築・土木の分野では最難関資格です。
一級建築士試験の受験資格
一級建築士試験を受けるには受験資格が必要になっています。
どのような受験資格なのかというのは、建築士法第14条に記載があります。
第二号 3年生短大で指定科目を修めて卒業した者=実務経験3年以上
第三号 2年生短大か高専で指定科目を修めて卒業した者=実務経験4年以上
第四号 二級建築士=実務経験4年以上
第五号 その他国土交通大臣が認めた者=所定の実務経験が必要
一級建築士試験の合格率
2015年の一級建築士試験の合格率は、
一次試験(学科) | 合格率=18.6% 受験者数=25,804人 合格者数=4,806人 |
2次試験(設計製図) | 合格率=40.5% 受験者数=9,308人 合格者数=3,774人 |
総合合格率 | 12.4% |
となっています。
一次と二次の合格率を見ると8?9%くらいじゃないか?
と思われるのですが、
一次試験に合格して二次試験に不合格だった場合、
翌年の一次試験は免除になるというルールがあるため、
一次に合格した人数よりも二次試験受験者の数が多いことから、
総合合格率はちょっと高めになっているようです。
※二次試験に3回落ちるともう一度一次から受験しなければなりません。
3度目の二次試験受験生のことを受験生の間では「角(カド)番」と言うようです。
大相撲の角番横綱・大関に因んでそう呼ばれています。
角番の受験生は精神的に追い込まれていて非常に辛いようです。
ですが、後のない状況で頑張って合格される方も多いです。
一級建築士学科試験を独学で合格する勉強方法は?
一級建築士試験の一次試験は学科試験です。
学科試験に独学で合格しようと考える方は多いようです。
一級建築士を受験する方は学歴や実務経験があるので、学科試験は独学でも十分合格できると言われています。
重要なのは、それなりの時間が取れるかということです。
日建学院や総合資格のような資格学校に通った場合、授業の多くはテストです。
テスト=過去問題ですから、市販の問題集と変わりません。
大事なのは自宅での復習です。
復習なくしては合格はありません。
日建学院に通っていた方の話では、
(1)テキストの内容と同じVTRを皆で見る
(2)小テストをうける
(3)答え合わせをする
というのが学校の内容です。
同じ目標に向かう仲間が出来るという点では独学では得難いものがありますので、
通ったほうが有利になるとは思いますが、
お金がもかかりますし、忙しくて学校に通う時間が取れないという方も多いと思います。
一級建築士の学科試験に独学で合格するための勉強方法は、
(1)過去問を解く
(2)丸付け、解説を読む
(3)間違えたところをメモする(ナンバリングしていく)
です。
過去問題集を用意して、2回か3回繰り返してやることでかなり実力をつけることが出来るはずです。
以上、今回は、一級建築士試験の難易度や合格率、学科試験の独学勉強法を紹介しました。
家カフェでは、学科試験における各科目の具体的な問題の考え方や解き方、覚え方などを公開しながら合格のための手助けになる記事を作っていきます。
また、本試験後も引き続き製図試験にも合格するための最新手法を学んでいきます。
ぜひ一緒に合格に向けてがんばっていきましょう。
最後に、建築士を目指す人にとって憧れの存在である巨匠を紹介します。
↓ミース・ファン・デル・ローエ
ミース・ファン・デル・ローエは20世紀を代表するドイツ人の建築家です。
一級建築士試験では、
レイク・ショア・ドライブ・アパートメント(1951年)
ファンズワース邸(1951年)
がよく出題されます。
↓ル・コルビュジエ
ル・コルビュジエはフランスで活躍したスイス人建築家です。
本名は「シャルル・エドワール・ジャンヌレ・グリ」といいます。
「ル・コルビュジエ」雑誌「エスプリ・ヌーヴォー」のコーナーを担当していた時に使っていたペンネームなんです。
一級建築士試験では、
- 小さな家(1923年)
- サヴォア邸(1931年)
- ユニテ・ダビタシオン(1952年)
- ロンシャンの礼拝堂(1955年)
がよく出題されます。
↓フランク・ロイド・ライト
フランク・ロイド・ライトは波乱万丈な人生を送ったアメリカ人建築家です。
「有機的建築」をテーマに多くの作品を生み出しました。
住宅作品が多いです。
一級建築士試験には
- 落水荘(1936年)
- ロビー邸(1906年)
- グッゲンハイム美術館(1953年)
がよく出題されます。
↓オスカー・ニーマイヤー
オスカー・ニーマイヤーはダイナミックな曲線が特徴的な作品が多いブラジル人建築家です。
ブラジルの首都・ブラジリアの主要な建築物を設計したということが一級建築士試験問題で記述されることがあります。
- ニテロイ現代美術館(1996年)
が雑誌等でたびたび取り上げられています。