建築士を目指す上で気になるのが、「実際どれくらい稼げるのか?」という収入の話。
専門的な資格でありながら、収入にばらつきが大きいのが建築士の特徴でもあります。
この記事では、20代〜30代の建築士の年収実態とキャリアパターン別の収入傾向について、具体的に解説します。
建築士の平均年収の目安
まずは全体の傾向から。
- 一級建築士の平均年収:約600〜750万円(厚労省・建築士統計より)
- 二級建築士の平均年収:約450〜550万円
ただしこの数値は40代以降のベテラン層も含んだ平均であり、
若手の段階ではここまで届かないのが実情です。
20代建築士の収入実態
20代前半〜後半の建築士は、次のような勤務形態に分かれます。
① 設計事務所勤務(特にアトリエ系)
- 年収:約250〜350万円
- 特徴:修行に近い。デザイン性重視の環境だが残業も多い
② ハウスメーカー勤務
- 年収:約350〜450万円
- 特徴:安定感あり。福利厚生・賞与も含めると比較的手堅い
③ ゼネコン・工務店の設計部門
- 年収:約300〜400万円
- 特徴:施工管理寄りになる場合もあり、現場対応が多い
二級建築士の資格があると手当がつく企業も多く、合格後に月1〜2万円ほど収入が上がるケースもあります。
30代建築士のキャリアと年収
30代になると、次第にキャリアが分岐します。
① 設計事務所でキャリアアップ
- 年収:約400〜550万円
- 一級建築士を取得すれば、700万円超も見える
② ハウスメーカーで営業設計や管理職へ
- 年収:約500〜700万円
- 歩合や成果報酬がつくケースもあり、年収差が大きい
③ 独立開業(建築士事務所の開設)
- 年収:200〜1,000万円以上(スキル・営業力による)
- 営業・経理・設計すべて自分でこなす必要あり
30代前半までに一級建築士を取得すると、選べるキャリアの幅が一気に広がるのが特徴です。
年収を上げやすい働き方の傾向
収入を増やしやすい建築士には、いくつかの共通点があります。
- 一級建築士の資格を持っている
- 住宅営業や設計提案に強く、成果を出せる
- 都市部(東京・大阪・名古屋)で働いている
- 独立して継続的な案件を獲得している
逆に、「デザインにこだわりたいが収入は二の次」という方は、アトリエ系設計事務所などで低年収が長く続く場合もあります。
まとめ|建築士の年収は資格+環境+戦略で大きく変わる
建築士は一見すると“専門職=安定高収入”のように見えますが、実際は働く場所や職種で大きな差が出る職業です。
収入面を重視するなら:
- 資格取得(特に一級)を20代のうちに目指す
- 営業スキルや提案力を身につける
- 将来の独立を見据えて経験を積む
「建築が好き」という想いと、「生活を安定させる」という現実の両立。
そのためには、キャリアと収入の選択肢を早めに把握しておくことが大切です。