一級建築士試験において、学科試験では過去問を重視するんですが、製図試験では過去問を軽視する風潮があります。
しかし、一級建築士製図試験の過去問分析は大事です。
一つ一つの課題を「解く」必要はありませんが、どんな出題だったのか、建物の構造や回数・面積がどのくらいだったのか?受験者がどのくらいいて合格率はいくらだったのか?
などを一覧表示されていたら便利ですよね。
今回は2001年(平成13年)から2017年(平成29年)までの16年間の一級建築士製図試験課題の変遷を一覧で紹介します。
一級建築士製図試験課題の過去16年の変遷
一級建築士製図試験課題の平成13年から2016年までの、過去16年の変遷を一覧表示します。
2001年(平成13年)「集合住宅と店舗からなる複合施設」
課題名 | 集合住宅と店舗からなる複合施設(3階建) |
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構造 | 鉄筋コンクリート造 |
延べ面積 | 1700〜2100㎡ |
階数 | 地上3 |
受験者数 | 12480 |
合格者数 | 4120 |
合格率 | 33.00% |
ランクⅡ | 11.70% |
ランクⅢ | 19.00% |
ランクⅣ | 36.30% |
2002年(平成14年)「屋内プールのあるコミュニティ施設」
課題名 | 屋内プールのあるコミュニティ施設 |
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構造 | 鉄筋コンクリート造 |
延べ面積 | 2300〜2800㎡ |
階数 | 地上3、地下1 |
受験者数 | 10203 |
合格者数 | 3733 |
合格率 | 36.60% |
ランクⅡ | 20.50% |
ランクⅢ | 10.10% |
ランクⅣ | 32.80% |
2003年(平成15年)「保育所のある複合施設」
課題名 | 保育所のある複合施設 |
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構造 | 鉄筋コンクリート造 |
延べ面積 | 2200〜2700㎡ |
階数 | 地上3、地下1 |
受験者数 | 11100 |
合格者数 | 4477 |
合格率 | 40.30% |
ランクⅡ | 22.70% |
ランクⅢ | 15.20% |
ランクⅣ | 21.80% |
2004年(平成16年)「宿泊機能のある「ものつくり」体験施設」
課題名 | 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設 |
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構造 | 鉄筋コンクリート造 |
延べ面積 | 2200〜2600㎡ |
階数 | 地上3 |
受験者数 | 16313 |
合格者数 | 5470 |
合格率 | 33.50% |
ランクⅡ | 12.10% |
ランクⅢ | 18.50% |
ランクⅣ | 35.90% |
2005年(平成17年)「防災学習のできるコミュニティ施設」
課題名 | 防災学習のできるコミュニティ施設 |
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構造 | 鉄筋コンクリート造 |
延べ面積 | 1800〜2300㎡ |
階数 | 地上2(既存あり・増築) |
受験者数 | 18322 |
合格者数 | 5548 |
合格率 | 30.30% |
ランクⅡ | 14.90% |
ランクⅢ | 11.10% |
ランクⅣ | 43.70% |
2006年(平成18年)「市街地に建つ診療所等のある集合住宅」
課題名 | 市街地に建つ診療所等のある集合住宅 |
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構造 | 鉄筋コンクリート造 |
延べ面積 | 3000〜3600㎡ |
階数 | 地上5、地下1 |
受験者数 | 11386 |
合格者数 | 3579 |
合格率 | 31.40% |
ランクⅡ | 16.80% |
ランクⅢ | 26.80% |
ランクⅣ | 25.00% |
2007年(平成19年)「子育て支援施設のあるコミュニティセンター」
課題名 | 子育て支援施設のあるコミュニティセンター |
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構造 | 自由 |
延べ面積 | 2000〜2500㎡ |
階数 | 地上3 |
受験者数 | 7501 |
合格者数 | 3705 |
合格率 | 49.40% |
ランクⅡ | 11.50% |
ランクⅢ | 24.10% |
ランクⅣ | 22.70% |
2008年(平成20年)「ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設」
課題名 | ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設 |
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構造 | 鉄筋コンクリート造(一部、他の構造種別と併用可) |
延べ面積 | 6000㎡以下 |
階数 | 地上7、地下1 |
受験者数 | 9935 |
合格者数 | 4144 |
合格率 | 41.70% |
ランクⅡ | 11.50% |
ランクⅢ | 24.10% |
ランクⅣ | 22.70% |
2009年(平成21年)「貸事務所ビル」
課題名 | 貸事務所ビル(1皆に展示用の貸しスペース、基準階に一般事務用の貸しスペースを計画する) |
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構造 | 鉄筋コンクリート造(一部、他の構造種別と併用可) |
延べ面積 | 5200〜5800㎡ |
階数 | 地上7、地下1 |
受験者数 | 12545 |
合格者数 | 5164 |
合格率 | 41.20% |
ランクⅡ | 25.80% |
ランクⅢ | 23.00% |
ランクⅣ | 10.00% |
2010年(平成22年)「小都市に建つ美術館」
課題名 | 小都市に建つ美術館 |
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構造 | 鉄筋コンクリート造(一部、他の構造種別と併用可) |
延べ面積 | 1800〜2200㎡ |
階数 | 地上2 |
受験者数 | 10705 |
合格者数 | 4476 |
合格率 | 41.80% |
ランクⅡ | 27.80% |
ランクⅢ | 23.50% |
ランクⅣ | 6.90% |
2011年(平成23年)「介護老人保健施設」
課題名 | 介護老人保健施設(通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。) |
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構造 | 自由 |
延べ面積 | 3400〜4000㎡ |
階数 | 地上5 |
受験者数 | 11202 |
合格者数 | 4560 |
合格率 | 40.70% |
ランクⅡ | 30.50% |
ランクⅢ | 18.10% |
ランクⅣ | 10.70% |
2012年(平成24年)「地域図書館」
課題名 | 地域図書館(段床形式の小ホールのある施設である。) |
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構造 | 自由 |
延べ面積 | 1800〜2200㎡ |
階数 | 地上2、地下1 |
受験者数 | 10242 |
合格者数 | 4276 |
合格率 | 41.70% |
ランクⅡ | 27.90% |
ランクⅢ | 18.20% |
ランクⅣ | 12.20% |
2013年(平成25年)「大学のセミナーハウス」
課題名 | 大学のセミナーハウス |
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構造 | 自由 |
延べ面積 | 1500〜1800㎡ |
階数 | 地上2 |
受験者数 | 9830 |
合格者数 | 4014 |
合格率 | 40.80% |
ランクⅡ | 32.80% |
ランクⅢ | 20.50% |
ランクⅣ | 6.30% |
2014年(平成26年)「温浴施設のある「道の駅」」
課題名 | 温浴施設のある「道の駅」 |
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構造 | 自由 |
延べ面積 | 1800〜2200㎡ |
階数 | 地上2 |
受験者数 | 9460 |
合格者数 | 3825 |
合格率 | 40.40% |
ランクⅡ | 32.80% |
ランクⅢ | 20.50% |
ランクⅣ | 6.30% |
2015年(平成27年)「市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅」
課題名 | 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅(基礎免震構造を採用した建築物である。) |
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構造 | 自由 |
延べ面積 | 2600〜3100㎡ |
階数 | 地上5 |
受験者数 | 9308 |
合格者数 | 3774 |
合格率 | 40.50% |
ランクⅡ | 25.20% |
ランクⅢ | 23.30% |
ランクⅣ | 11.00% |
2016年(平成28年)「子供・子育て支援センター」
課題名 | 子供・子育て支援センター(保育所、児童館・子育て支援施設) |
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構造 | 自由 |
延べ面積 | 2000〜2500㎡ |
階数 | 地上3(1棟) |
受験者数 | 8653 |
合格者数 | 3673 |
合格率 | 42.40% |
ランクⅡ | 27.10% |
ランクⅢ | 20.70% |
ランクⅣ | 9.70% |
2017年(平成29年)「小規模なリゾートホテル」 NEW
課題名 | 小規模なリゾートホテル |
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構造 | |
延べ面積 | |
階数 | 地上2、地下1 |
受験者数 | |
合格者数 | |
合格率 | |
ランクⅡ | |
ランクⅢ | |
ランクⅣ |
一級建築士製図試験2017の傾向と対策
2017年課題「小規模なリゾートホテルは、要求図面から
地上2階建て・地下1階の建物
だということが予想されます。
地上2階建て・地下1階建ての建物は、2012年(平成24年)の「地域図書館」が該当します。
面積は1800〜2200㎡でした。
ただ、今回は傾斜地ということで、少し面積が違うかもしれませんね。
傾斜地指定の地下1階を含む建築物の出題は、今回取り上げた16年分にはなく、更に遡って平成8年の「景勝地に建つ研修所」とう課題で出題されています。
地下の要求があることから、敷地の傾斜はほぼ建物の1階層の高さであると予想されますね。
つまり、高低差は3.5〜4m程度ということです。
本番で多少違っても対応できるように、ある程度幅をもった計画を練習しておくと良いでしょう。
臨機応変にやってみてください。
▶ 一級建築士製図試験2017「小規模なリゾートホテル」の実例画像と出題背景
広い視野を持って過去の問題に触れてみることで、違った視点を持てることがあります。
またこういった一覧は、2018年以降の課題発表前の予想にも使用できますね。
参考にしていただけたらと思います。